ムーレイ・イスマイル廟の天井を紹介しよう!
モロッコでは一般的に天井の装飾を施すのは宗教施設内の中心になる場所が多い。
ムーレイ・イスマイル廟もムーレイ・イスマイルの墓がある部屋とその脇の部屋の
天井は伝統的な模様と手法で天井が飾られている。下の写真が人が立った高さで天井を
見るとこんな感じになる。そのもう一つ下が中心を拡大したもの。
下の写真は壁漆喰の記事(その5)で紹介した部屋の天井。様式は折り上げ天井で
中心部分をさらにもう一段持ち上げたスタイル。木材の上にモロッコスタイルの
幾何学模様をペイントしている。この天井の場合は屋根は四角錐になっている。
上の写真のような図柄を描くにはまず、足場を用意する。天井形状を確定する。
親方が図柄に合わせて墨出しして基本線を描きだす。もしくは形があり、それを元に
なぞるように線を出す。そこで職人たちが筆をもってペイントしていく。職人たちは
座り込んだり立ったりして一生懸命に描いていく。
下の写真の天井はムーレイ・イスマイルの墓がある部屋の隣の部屋の天井。
屋根は四角錐になっている。それに合わせて天井ができている。
天井は垂木状の木を中心に寄せて合わせるように組み立てていく。その垂木も
ペイント装飾する。ムーレイ・イドリス廟建設時の屋根は四角錐が多く、天井も
このような形状のものが多い。
このような建物の天井の形状を見ていくと、四角錐が一般的ではあるが、
ほかに8角形の天井、ハッサン二世の頃になると円形のドーム状の天井を
作るようになってきた。ハッサン二世の難しさに挑戦するところを見て取れる。
このような天井を作る場合、四角錐が一番簡単で作りやすい。また8角形はまだ
難しさは少ないが、ドーム状の天井を作るのには難儀する。
モロッコの宗教施設の天井から上の部分はほとんど木造で出来ている。屋根は
グリーンのモロッコ瓦をのせることが多い。モロッコでは天井材料は木材がほとんど。
ノートルダム大聖堂のように火がつくと燃える作りになっている。モロッコでは石造の
建物はほとんどない。モロッコには石造建築ができるような石は採掘できない。また、
屋根や天井を作るには木材が扱いやすい。アトラス山脈を越えた地域の建物も天井は
ヤシの木や葉を使っていることが多い。
モロッコの建物の天井もゆっくり見て下さい!
きれいなペイント装飾を見ることができることでしょう!