アガディールのモロッコ建築は素晴らしいものがある。
近年のモロッコ建築の装飾は前国王のハッサンⅡ世の関与、影響が大きい。
その功績はハッサンⅡ世の父でモハメッド5世の廟に代表される。今までにない
新しい装飾を施すことで技術革新を図っていった。タイルに始まり、彫金細工、
漆喰など多岐にわたる。廟だけの建築で終わっていないところがびっくり!
王宮の各所でもその革新が見て取れる。しかし、内部を見れないのが残念!
このアガディールにはハッサンⅡ世が避暑地として使用する王宮がある。
上の絵はアガディールの王宮のイメージ図
これは建築家、アンドレパッカードの設計で既存のモロッコ建築を調べ上げ、
それをもとに最新作を次々と作り上げていった。モロッコの建築文化を継承する
意味では重要なことだ。ここまで作り上げると文化の衰退が止り、文化が残る。
経済的な問題もあるが、日本も江戸後期はかなりの文化が発達して、今も残っている。
王宮の内部を見ることが出来ないのが非常に残念だけど、アガディールでは
ホテルサハラに行くとその時期と同じものを見ることができる。
ホテルサハラの正面門、ロビーのタイルなどアンドレの試みが見て取れる。
ホテルサハラのタイル模様
このタイル模様、一個づつの形、色など今までにないものもある。
この話はフェズの建築装飾の記事でも載せた通りです。この装飾に一部は
フェズの王宮前広場の王宮入口と共通する部分があり、比較するとよく分かる。
この集大成は自分の墓であり、カサブランカにあるハッサンⅡ世モスクだ。
財力があり、文化を残すかどうかは時の権力者次第だ!