室内に入ってすぐのところの大ホールのような場所、ここはお祈りの場所。
下の写真はこの場所にある柱の全体像(左)と柱上部(右)。
柱の本体で躯体の部分は鉄筋コンクリートでできていて、表面の白い丸い柱状のものは
ビアンコのような白い大理石に見えるけど、カラーラ大理石だと思う。モロッコの場合
昔から水盤とか、化粧柱にはこの質感がもっともいいとして使われる。これだけの量を
そろえるのも、さすがハッサンⅡ世なのか?! 大理石をふんだんに使っている。
上の写真の右、凹凸の装飾のムカルナス。日本語に訳すと「鍾乳石状」。
モロッコのムカルナスは漆喰を彫り込むタイプと木を組み合わせるタイプがある。
柱の上や建物の角に施す場合は漆喰をもとにした形状のものがほとんどだ。
モロッコのこの形状は8つのピースを組み合わせるようにして積み上げた状態。
この木組みを言葉で表現し、説明するのは非常に難しいのでご勘弁を!
イスラム圏ではモロッコの作成方法は特殊だろう!中東のイスラム圏のムカルナスと
表面上の形状が違いがある。
このハッサンⅡ世モスクでは新しいムカルナスとか、ここだけの新作らしきものは
見当たらなかった。ちょっと残念かな。だけど公開していないところにあるかも!?
下の写真はモロッコの宗教建築にある柱。飾りのような化粧柱がほとんど。
このタイプの柱部分はイタリアのトスカーナ地域のカラーラ大理石を使うことが多い。
左の写真は黒っぽい大理石でラバトのモハメッド五世廟では8角形だったが、
ここでは丸形で使われている。また、柱の2本組み合わせを使う手法はよくある。
柱頭部分はアンダルシア様式といわれて、モロッコではよくあるスタイル。柱頭の
装飾には大きく分けて8種類くらいあるが、体系的な分類ではない。唐草模様、
コーランの一節、貝だったりする。スペインのアンダルシアに残っている様式と
比べるとモロッコの作りはメリハリがある。というか、アンダルシア地方は
レコンキスタ以降この様式には多少無関心かも・・・・・
ギリシャやイタリアにある柱の柱頭部分と比べると派手さはない。地味な感じ!
大理石がはるかに多いけど、たまに砂岩のものもある。
ハッサンⅡ世モスクは大理石の使用量は他のモスクに比べるとはんぱない量だ!