このモスクでもう一つびっくりしたタイル張りがあった!
上の写真は全体像、下の写真は中心部分の拡大写真
これの図柄は伝統的なスタイルにはない。だからタイルの形も似たものはあるけど、
同じではない。しかしこの図柄は曲線を使った幾何学模様であることは確かだ。
よくある話で、アガディールやマラケシュの高級ホテルで試験的に使っている
かもしれないが、色といい形といい今のところ見たことはない。
この図柄の分析もおもしろいけど、このタイルが全体的に波打っているのがびっくり!
意図的なのか? 結果的にこうなってしまったのか? その真意はわからないけど、
こんなに波打った感じのタイル張りは見たことない。しかも、タイルが大きくないのに
波打っている。これがモロッコ人らしさなのか、何となくほっとした感じがあった。
最初に遠目で見たときは、こんな細長いタイルだったら波打つだろうなと思っただけに
近くで細かく見ているうちに、この張り方は・・・・・と思った次第。
下の写真も同じように新しく披露したタイル張りだろう!
この図柄は典型的なモロッコスタイルの16割。従来の古典的な手法だと鋭角な
タイルの組み合わせがを多い中、この張り方は曲線を意識したようだ。
中心部分核に当たる部分は従来のモロッコらしさ。その外周の卵のような黒いタイルは
あまり見ない形状。この全体のいたる所に新しいモロッコがあるような気がする。
下の写真は新旧が入り混じっている図柄。
このスタイルは古典的なスタイルではあるが、ハッサンⅡ世の父である
モハメッド五世に使われている手法も取り入れた上に、また新しいタイルや色を
重ね合わせている。それと、中心部分のゆがんでいるところがご愛敬って感じかな!
こんだけの自国のタイル文化を残したハッサンⅡ世モスクはたいしたものだ!
立憲君主の王政だからできることか、金を使うところをわきまえていたのか?
この文化はかなり後の時代まで残るだろう。