一階の外回廊にある壁タイル。下の写真は中心部分の拡大写真。
下写真の全体像を見てもらうとタイルがどのように張ってあるかがわかる。
全体の上部分の写真(下) タイル張りの全体像(下)
この特徴は色とデザインだ。
この色の特徴はまずはピンクだ。モロッコの伝統的なタイル張りにこのピンクは
存在していない。ハッサンⅡ世のための新しい手法ではないだろうか。
比較的新しい手法で出来ているラバトのモハメッド5世や各地の王宮の外壁などでも
この色は見たことがない。また、この色合いのグラデーションはここしかない。
ピンクを使っていることで全体の暖色がよりいっそう目立つ張り方だ。
全体構成はべディックスクエアーを元にした図案であることは間違いない。
それとタイルの形状として上の大きな写真の中央に黄色いタイルで9角形のかぎ形の
モノはここだけだと思う。黄色の外側にピンクで同じ形状のもの、その外に白と青も
組み合わせて全体を構成している。この形状は何かで見たことはあるが、壁のタイル
としてこのような組み合わせは伝統的な手法ではなかった。タイル全体像を見ると
今までにない躍動感みたいな動きを感じるタイルの張り方だ。べディックスクエアーを
元にして形を崩すようにできているのは見事なモロッコタイル! びっくり!
詳細をいうと、帯状に線がクロスしている。そこに水平の帯状が重なり合って
出来ている図柄。じっくり見るとその構成が分かってくる。図柄としては元々あるが
ここまで崩したものは少ない。
このモロッコタイルは一個一個のタイルを組み合せで出来ているところが素晴らしい!
四角いタイルの上に描いた絵ではない。モロッコ以外のイスラムの地域の模様は
四角いタイルの上にアラベスク模様を描いて焼いて出来上がったタイル。
これは比較的簡単な手法。
しかしモロッコタイルは組み立てる時は一個一個のタイルが裏返しになっており、
それをシンメトリーに配置する。それをほとんど間違いなく組み合わせる。
こんな構成ができるモロッコ人、素晴らしいとしかいいようなが、普段接する
モロッコ人と何が違うんだ、わからん(^^)
モロッコタイルをじっくり見て下さい。ん~ん~!