このバヒア宮殿(Palais de la BAHIA) の見どころの詳細の一部を紹介しよう!
バヒア宮殿内部は各所に宮廷文化のきれいなインテリアで華やかな装飾を見ることが
できる。中庭もいくつかに分かれ各建物にそれぞれの優美な空間がある。
モロッコタイル、漆喰彫刻、天井装飾などがある中でもイスラム建築独特の技法で
「ムカルナス(鍾乳石装飾)」を見てみたい。
上の写真は木材を下地にしたムカルナス。下の写真は漆喰のムカルナス。
このムカルナスは建物の前室の天井に使われることはあっても、建物全体を
覆うような部分には使われてはいない。モロッコの場合は局所に使うことが多い。
アーチの下部分(上写真の左2枚)、壁面の一部(右下写真)、最も美しい装飾は
左上写真の作りではないだろうか?! 写真の映りは悪い(^^)
ムカルナスはどのようにして作られてるかを説明しよう。モロッコの場合は漆喰を
彫り込んで作るのと木材を組み合わせて作る手法がある。マラケシュでは地域の
特性として木を組み合わせて作ることが多い!
マラケシュの場合、アトラス山脈から木材を伐り出してくることは難しくなかった。
木を使って天井部分を創作的に作りだすことは昔からあったことだった。そこで
木材で作ったムカルナスにペイントすることで装飾の美しさが引き立つ。
この木材の使用によって他の建築部位も木材で代用したり、技術的に発達した。
また漆喰はフェズやメクネスより大気の乾燥状態が違うため、硬さが違うらしいく、
その違いからなのか、ムカルナスにペイント装飾するのが多いのがマラケシュだ。
また、マラケシュではこのペイント装飾がすぐれている。各種壁はもちろん、
扉などの建具にも、細かいモロッコ・イスラム様式の絵柄が施されている。
ペイント装飾のすばらしさは下の写真をじっくり見てもらうと分かる。びっくりする
くらいの細かさがある。下の写真はマラケシュの王宮内にある壁の高い所の装飾。
上のムカルナスの形状なり装飾はどのようにして生まれたのか?
ムカルナスのある建物は廟などの墓や宗教建築に多い。廟の建築などは平面的に
四角い建物に丸いドーム状の屋根をかけることが多い。その建物の4隅でドームとの
接点にこのムカルナスが多い。右上写真がこの装飾だ。この部分に装飾することで
建物内装が一段と引き立つ。しかしモロッコの場合、小さいムカルナスもあるので
目に付かないこともある。ちょっと残念かな・・・・
スンニー派イスラムではムカルナスは宇宙観を表現しているのではないかと言う
学者もいる。このムカルナスのある空間に入ることで世俗的空間にない幻想的な
感覚が生まれるのだろうか!それにして、この部分にイスラム精神を組み込む
彼らの気持ちは素晴らしいモノがある!
バヒア宮殿でじっくり見てね!