ムーレイ・イスマイル廟内のモロッコタイルの中心になる部分を数種類集めた。
こんな感じでモロッコタイルの核になる中心部分を比較したことはある??
じっくり見て比較してみてください。引いてみることはあっても近寄って
じーーと見ることはあまりないかと思う。モロッコタイルのゼッリージュ(Zalijs)。
上の写真の中心部分は星形。星形にも数種類ある。星形はピタゴラスの定理などを
もちいた形状が多い。幾何学に精通した人なら見た眼で分かると思う。この中心の
星形から広がっていく。この広がり方は放射状で8、16、24、32、48などに
分割して図案を描いていく手法だ。分割は方法は厳密に言うと他にもある。
この上の写真は50cmもない近いところから撮影した。これを2m離れてみたり、
もっとひいて見ると別な形状に見える。この効果を楽しむのもいい。
上左写真が中心部分を16割で放射状に図案を配置したゼッリージュ。
上右写真が8割の図案。8割や16割は横の広がりが小さい場合に使われる。
つまり、ゼッリージュを貼る面積が狭い場合はこのパターンが多く使われる。
上右写真はひいて見れば見るほど変わった形状に見えるのがおもしろい。
上の写真は両方とも24割の放射状の図案。中心の各部分が違っているのが分かる。
左上写真の中心の星部分の真ん中にもう一つ細工がしてある。この中心の中の
中心部分に持ってくる図案はやはり幾何学が多い。しかし、マラケシュの王宮には
ギザギザ丸の中心に三日月と星マークを使っていることもある。モロッコのモスクの
屋根の頂点に真鍮製の三日月に星の飾りがある。これがモチーフになっているか
どうかわからないが、同じような構図になっている。
右上写真は中心部分が外へ広がる時に同じような形状のタイルを使うのと違い、
各種タイルの組み合わせて外へ広がろうとしている。上の左右の写真の中心部分を
じっくり比較して見るとその違いがよく分かる。
これくらい見比べるとどれもこれも同じような図案に見えてくることもある。
この図案どこからこのような形状を生み出してきたか?単に幾何学模様の組み合わせ
だけじゃないかと思われるが、それだけの理由で生まれる図案ではない。
おおもとになる考え方はべディックスクエアー(Vedic square)だと言われている。
ここでべディックスクエアーを説明するには哲学的になるので割愛する。
興味のある方はこの幾何学的な数学をかじってみると世界観が変わるかも!
ちなみにこの幾何学を話していたら、天体を仕事にしている方が
このべディックスクエアーにのめり込んでしまった!!