場所はジャメイ博物館(Dar Jamai)の壁面でエディム広場に面した泉。これはかなり
大きな面積のモロッコタイル(ゼッリージュ)で古典的で伝統的な仕様の泉。
下の写真は全体像。2枚目の写真は全体像が3分割した真ん中の部分の拡大写真。
さらにその下の3枚目の写真は中心部分の拡大写真。詳細がよく分かる。
全体が3分割に構成されている。遠目で見るとこんな感じ。
3分割の中心の部分。上の写真の白い部分の丸いところから水が出ていた。
この泉は仏語でFontaineで、意訳した日本語に訳すとたぶん「水汲み場」に相当する!
通りに面した宗教施設等の壁や街区の中心になる場所に設置されていることが多い。
メディナが出来る時に水を引ける家はそれなりの地位の方や喜捨の多い人などだった。
しかし、各家庭に水道を引くことはしなかった。そのため街区の要所には水汲み場が
あり、いつでもそこに行くと水を汲むことができた。その水が出てくる場所を
このような装飾で位置づけていた。水が大切だったことがよく分かる。
このメクネスのこの水汲み場は大きさとしてモロッコでも最大級だ。
この水汲み場はシンメトリーで、3か所の水汲み場に分けられた構成になっている。
これくらい大きな面積のゼッリージュになると丸の分割が48割になり、その外側に
16の核を分割した図柄でその大きさがわかる。一番上の写真でカメラの目線が
見上げているのがよく分かる。遠目で見るタイルの全体像とだんだん近づいてくる
タイルの見え方は違ってくるのがおもしろい。タイルでこの大きさのゼッリージュを
作るのは時間もかかるし、根気もいるし、色の構成を覚えて組み合わせていく。
この工程は作る段階から見ると気の遠くなる作業だけに感慨深いものがある。
それと中心部分に他にない特徴的なタイルを配置するのもこの大きさの醍醐味だ。
この水汲み場の特徴としておもしろいものがある。それは下の写真の図柄の構成だ。
この水汲み場の両脇にあるタイルの貼り方は他と違っている。モロッコでは一般的に
よくある図柄として円を8割、24割、32割、48割などにするのはよくある。
しかし、この水汲み場の両脇にある図柄は40割になっている。このタイプをフェズや
マラケシュで探したけどいまだに出遭っていない。たぶんあるだろうと期待したい!?
今後も探し続けることになるだろう! 知っている方がいたら教えて~~~!
モロッコタイルであるゼッリージュはどれもこれも同じように見えるけど全く同じ
図柄で色のパターンはほとんどない。図柄だけ同じようなものはあるが、色まで同じ
ゼッリージュはないはず。今まで見た中では、そう思いたい(^^)
欧米の学者やそれに感化した日本の学者はこんなことを形態分けするけどそれは・・・
これを見て楽しんだらどうでしょう!写真の撮り方によってはインスタバエするかも!