サアード朝大廟墓群にあるゼッリージュ(モロッコタイル)に注目したい。
マラケシュとフェズのタイルの違いは何がるのだろうか?こんなことを疑問として
誰かが投げかけただろうか? その違いを形態分けして比較して結論付けていく
学者がいるかもしれない?! しかし、これといった結論が出ることはないと思う。
あるとしても時代的な様式のくらいは違いあるだろう! では何が違うか?
マラケシュとフェズの違いは宮廷と学問の違いがある。
マラケシュは宮廷文化でできたまち。まちの各所にある旧宮廷。これらの内部を
見るだけでも宮廷内に設えた装飾の文化は独特のモノがある。
一方、フェズは学問を中心にしてできたまち。学問をするための神学校などの施設内に
装飾の文化が至るとことに組み込まれている。
宮廷文化と学問中心の文化では建物が違う。これらの違いが表ににじみ出ている。
残っているマドラサの数や規模も違う。マドラサの中庭の広さも違い、王宮の数も
違う。それぞれ空間の広さの違い、究極にはゼッリージュの色合いの違いもある。
左下の写真の宮廷を支えたサルタンの墓である廟群の壁のゼッリージュ。
右下の写真はフェズのマドラサの壁にあったゼッリージュ。
同じようなパターンを比較のために比べてみた。見た目は変わりない(笑)
一緒じゃないかと言われても仕方ない(^^) しかし、長年これを見続けていると
何かが違うぞ?! 何だか何かが違う! 何だと言われると言葉にできない。
下の写真は同じサアード朝大廟群の壁のゼッリージュ。これはモロッコの伝統的で
典型的なスタイル。この時代は標準仕様だったと思われる。中心を作って24割の
放射状に広げて、その先に小さな核を発展させて作って張り詰めるパターン。
放射状に広げて行く時にその周りのパターンはものすごい数の種類と手法がある。
簡単には語れない。
上が壁の全体写真、下が壁の拡大写真。
上の写真は同じサアード朝大廟群の壁のゼッリージュとその上にボーダー状のタイルで
出来たコーラン(黒文字で土色の下地)とまたその上にボーダー状の漆喰の
コーランがある。この二つのコーランは文字のスタイルが違うのが分かる。
コンスタンチンスタイル、モロッコスタイルなどがある。
このどちらのコーランもアンダルシアスタイルと言われている書体らしいが、
中東でもよくあるような・・・・ 。
アンダルシアとモロッコは一時代を築いただけにこれらのスタイルも
生まれたのではないかな?!
このサアード朝大廟群を見る時はこれらも見ましょう!