カラウィーンモスクの魅力を伝えよう! どこまで伝わるか分からないけど・・・・
フェズを訪問した人なら誰しもが下写真のような風景は撮影したことと思う!
しかし、この正面の扉の先がどのようになっているか?異教徒には見ることが
できない世界!それを紹介しよう! この正面の漆喰装飾だけでも素晴らしい。
上の写真の小扉を開けると柱に囲まれた身廊がある。身廊とは主祭壇に向かう通路の
ような部分。イスラム教の主祭壇とはミハラーブ(メッカを示す窪んだ部分)だ。
中庭を通り、小扉を通り、ミハラーブの様子を表すのが下の断面図のように
なっている。断面図の左側が一番上の写真にある中庭側、一番右にあるのが
ミハラーブでメッカの方向で礼拝方向を示す重要な場所。
この柱に囲われた部分が10個で構成されている。参考までに一番下に平面図を
参照してもらいたい。矢印が上写真の位置。平面図上は11個で、天井空間としては
10個になる。小扉の奥の天井がこんなになっているとは誰が想像しただろうか?!
天井部分がギザギザになっているのはムカルナス(鍾乳飾り)を示している。
LA MOSQUEE AL-QARAOUIYIN A FES より
下の図面は天井伏図(天井を平面的に描いた図)と天井部分の断面図だ。
(この上の断面図にある矢印の部分)
LA MOSQUEE AL-QARAOUIYIN A FES より
いくら説明しても難しいので写真をと思ったのだけど、たぶん写真でも説明が
必要なくらい難解なものかもしれない。下写真をどう見るか???空間想像が
できる人には特に問題ないのだろうけど、そうでない人だと・・・・・
断面図と下の写真を見比べながら想像すると何となくイメージがつかめるだろう!
なぜ、このようなムカルナスが生まれたか?
「天上空間を構成していることから、スンニー派イスラムの原子論的宇宙観を
表現した建築である」と述べる学者もいる。
また、ムカルナスはイスラム圏に多く存在することから「イスラム圏の美意識が存在
し、中世的な美の表現がムカルナスだ」と言う研究者もいる。
このムカルナスはイスラム圏ならどこでもある。特にモロッコの場合は突起上のモノが
非常に多く、鍾乳洞の石灰石が垂れ下がった状態に似ている。
それとムカルナスがある場所は名士の墓やそれなりの宗教施設に多く使われている。
LA MOSQUEE AL-QARAOUIYIN A FES より
参考までに下はカラウィーンモスクの平面図、矢印の位置は一番上の写真で、
観光客がよく見る風景。
フェズを誇るカラウィーンモスク!
外から見られる範囲でじっくり見て下さい!