フェズのメディナを散策していて人は必ずと言っていいほど、カラウィーンモスクへ
行く。しかし、谷底の川を通過してアンダルースモスク(Mosquee des Andalous)
まで行く人は少なくなった。下の写真がアンダルースモスクの正面玄関。
この正面はどちらを向いているかと言うとメディナ(旧市街地)の外の北にある
メリニッド墓地(Tombeaux Merinides)の方向を向いている。モスクが先か墓地が
先か(かなり前から何かがった?)は何とも分からないが、フェズを調査している時、
不思議に思い、いつも眺めを気にしている。このブログ内の「フェズ ミステリー」
(2018/06/15)で記載したようにミステリー部分があるような気がする・・・・
このモスクの正面はかなり見上げるように坂が急なことが分かる。アンダルース地区は
広い平坦地が少ない。そのため、カラウィーン地区から比べると平面的に広い豪邸は
少ない。どうしても、敷地の広さが限られるだけに建物もそれなりの大きさだ。
この写真では正面玄関は閉まっているが、礼拝時には開いている。その時、中を
のぞくと更に階段が10段以上ある。平坦地を作るにはそれくらいの階段が必要に
なってくる。それに比べカラウィーンモスクは大きな階段を作ることなしに平坦な
モスクを完成させた。平坦地を確保し難いアンダルース地区ではモスク周辺だった。
それを裏付けるように敷地形状がわかるのが下の写真だ。普通に観光していて、
この角度から見ることはほとんどないが、青いフェズブルーの瓦屋根がよく分かる。
屋根のブルーに囲われた白くなっている部分が中庭だ。この中庭の状況は全く
分からないけどカラウィーンモスクよりは地味にできている。その証拠に目に
付くミナレットにもかかわらず、ほとんど装飾もない。
アンダルース・モスクは苦心して段差のないモスクの礼拝室ができているのが
よく分かる。カラウィーンモスクより、小さいのもよく分かる。
この段差で面白い現象もある。それは一日に5回ある、お祈りに来なさいと言う
アザーンの声だ。普通のモスクなら上の方からまんべんなく伝わるアザーンの声が、
上の写真の高さで聞くと実にうるさうくらい聞こえてくる。
段差があるとはこんなことだと思わされた。
もしメディナを散策していて時間があれば、このようなフェズの風景も
観察してみてはどうでしょうか!! 人によってはもっと別なことも発見するかも!