フェズには多くのマドラサ(Medersa)がある。マドラサとは神学校のこと。
メクネス、マラケシュには各1棟だけなのに、フェズには5棟ある。フェズがいかに
学問を中心にできた街なのかがよく分かる。フェズン中心にあるカラウィーンモスクは
モスクを囲うエリアにはイスラームに関する図書館や別な特殊なモスクもある。
カラウィーンモスク一画は宗教色いっぱいだ。このカラウィーンモスクを取り巻く
道路を隔ててマドラサが3棟ある。カラウィーンモスク周辺はイスラームの雰囲気が
いっぱい漂う場所でもある。日本人が寺のお堂の脇でお経を読むように、
このカラウィーン周辺でもコーランを唱えるモロッコ人をよく見る。信仰という
意味では同じなのだろうか?!
フェズのマドラサはフランス人が植民地にした時には、カラウィーン地区に4棟、
アンダルース地区に1棟あったことは確認されている。いままともに公開しているのは
カラウィーン地区にある「ブー・イナニア」と「アッタリン」だけだと思う。ほかは
閉鎖されたり、工事を繰り返したりしている。そのため運がいいと見ることができる。
この各神学校で何を学問していたかだ。マドラサ・アッタリン(Medersa Attarine)、
このマドラサでは薬の学問をしていたようだ。マドラサ・セファーリン
(Medersa Seffarine)では金属加工工芸を学問していたようだ。しかし、この学問
内容は時代と共に変化していったようだ。下写真がマドラサ・アッタリン。
このアッタリンは日本のツアーの見学コースには確実に含まれている。
下写真はマドラサ・シェラチン(Medersa Cherratine) カラウィーンモスクの近くに
あるが、修復して公開したり、なぜか閉鎖したりしている。
また、アンダルース地区にはアンダルスモスクの脇にマドラサがある。しかし修復に
時間がかかっているのと予算が満足に回ってこないため、公開と閉鎖を繰り返し、
運がいいと見ることができる。
フェズでは「アッタリン」と「ブー・イナニア」が代表される建築で、それ以外は
あまりパッとしない装飾であり、見劣りする。一般的にはこの二つを見ればフェズの
神学校の装飾のすばらしさを堪能したことになる。覚えていればの話だけど・・・・
いつも疑問に思い、誰にも言えないことがある。 モロッコ人が一般的に発音する時に
「マドラサ」とは聞こえないような気がするのは自分だけだろうか?
いつもこのことが気になる。自分にはモロッコ人の発音が「メデルサ」と聞こえる。
イスラーム研究者やモロッコ研究者には大きな声では言えないんだけど・・・・・