トゥルーエトは昔のガイドブックにはよく出ていたのだが、今のガイドブックは??
残っているうちに、ここを訪問しいたらいいです。そのうち崩壊すかも??!!
場所はティシカ峠からワルザザートへ向って10kmも行かないところを左へ曲がり、
道なりに下って20kmくらい行った所にある田舎の大きなカスバって感じです。
道路標示は出ているのでわかるかはず、民間バスはないかも、グランタクかな?!
こんな田舎に、こんな建物がある? 「なにこれ」「何の建物」と思わせるくらい。
建物の歴史は19世紀の話なので浅い。外観上は何てことないような大きな建物。
ちょっとさびれた感じの雰囲気で外観と内部のギャップがあるところが面白い。
内部の見学をすることが出来る。この外観からは想像できない装飾が立派である。
建物は崩壊しているところもあるため見れる室内は限られている。
床のタイル、壁のタイル、頭から上の漆喰の彫り込み装飾、天井の木の板に描かれた
模様、中庭の柱、柱頭部分、謁見の間(?)の折り上げ天井の色彩装飾など
財力があったからこそできた数々の立派な施し方である。見る価値はあるでしょう!
もともと、この建物はこの地域の首長の家で廃墟となっていた。それを19世紀に
トハーミ・エルグラーウィが自分の家にするために、この建物に手を入れた。
増築部分もあるようだ。19世紀なので装飾がマラケシュの建物でよく見られる
スタイルが各所にある。
床壁のタイルはベンユセフメデルサやダールバヒアでよくあるパターンである。
高い位置にある彫り込み漆喰はフェズのブーイナニアメデルサのような細かい
彫り込みで、緻密さがある。モロッコでは一般的に柱頭は大理石を使用することが
多いが、ここでは繊細に漆喰を彫り込んでいる。
天井の木板にペイントした色彩ある幾何学模様の装飾はマラケシュのダールバヒアの
天井と同じようなパターンで、細かく出来あがっている。折り上げ天井の
色彩パターンはダールバヒアをうわまわるような装飾で実に綺麗にできている。
この建物の再建者がマラケシュ地方の出身者だけによく分かるような気がする。
アトラス山脈を越えたサハラ側ではこのような装飾のある建物は新しいホテル以外では
存在しない。サハラ側の伝統あるカスバの内装は大掛かりな装飾は少ない。
その意味でもこのトゥルーエトは「よくここに存在するな」と思うし、19世紀に
出来たと知って、納得のいく建築でもある。
時間があればぜひ見た方がいいかも! そのうち建物が崩壊するかも!?