かつて、アルジェリアとの仲が良くなかったころの話。いまも悪いのかな?!
暑い中、車でこの小さな街を観光目的で行ったことがあった。この街までは特に
問題なくたどりつけた。この街は砂漠見学などの中継地点で特に観光場所が
あるわけでもなく、レストランとかは数件あるくらいで何もない。
この街で昼食を取り、さらに南へ行くことにした。
2WDの車だったので、砂漠は走れない。そこで砂地の近くまで行こうとした。
しばらく走って、立て看板にアラビア語とフランス語で進入禁止とあった。
当然のことながら、侵入するとよくないだろうとのことで看板に並行して南下。
すると突然、モロッコ軍の兵士が銃を持ってこちらへ近づいてきた。
最初は、これで終りか?まさか撃たれてしまうのか?しばらく、車で走っていたら
さらに勢いよくこちらへ走ってくる。これはびっくり! 車を止めた。
そこで銃口でも向けられるかと思ったその時、フランス語で「ダメ」と言ってきた。
銃口は空に向けられ、銃は背中に背負っていた。安心してそこで話を聞きいた。
ここから先は国境で、近寄ってはダメだとのこと。
そこで何を思ったか、近くにあったミカンを兵士に手渡そとして「ありがとう」と
指し出したところ、「いらない結構だ」と2回も繰り返した。金なら受け取ったのか?
街の憲兵は何でも受け取るのに、ここの兵隊はきっぱり断った。
その後、来た道を引き返しながら後ろをよく見ると、戦車の頭が数台ちらりと
見えるたのには、胆が冷えると言うか、ぞっーーとした。その近くに兵隊が
数人いるのも確認した。遠くから見られていたんだ!とようやく気付いた。
モロッコの東端の地中海の近くにウジダ(Oujda)の街がある。
ここはモロッコでは国境に接している大きな街だ。それだけに国境を越える人も多い。
正規の国境越えは問題ないけど、街から少し離れたところにある国境は小川の向こうが
アルジェリアという場所が点々とある。そこの周辺の丘の上を見ると銃を構えた
アルジェリア兵士がいることがあった。「川を越えたら撃たれるぞ」とモロッコ人に
何度か冗談交じりに脅かされたことがあった。今はそんなことはないと思う!
日本には国境がないだけに、国境を越えるとはこんなことが発生するんだと
改めて感心した次第だった。