この人物は日本の歴史の教科書にも出てくる。皆が知っている。旅行家。
旅行記としての「三大陸周遊記」 ベルベル人。日本人はこの人物を
どこまで知っているだろうか? この人物を聞いて北アフリカ、タンジェ、
モロッコなどを連想する人はどれくらいいるのだろう!
一般的にはわかるのだろうが、自分はタンジェしか結びつかなかった。
日本人がかつて沢木耕太郎の「深夜特急」に影響されてモロッコへ行った人もいる。
その日本人たちはほぼ全員がスペインのアルヘシラスからフェリーでモロッコの
タンジェに入国している。タンジェは旅行の起点通過点になるのだろうか。
日本人がシベリア鉄道経由でモロッコまで行く人は必ずタンジェから入国する。
初めてモロッコに行くことになった時に、歯の治療をするために歯医者に行った。
歯医者に数年治療しなくてもいいようにお願いした。理由を聞かれ、治療が終わり、
歯医者はすぐにジブラルタル海峡とタンジェの話を始めた。行ったことはないが、
文献や写真で知っていることを話し始めた。深夜特急の話もあった。
その時、自分はイブン・バットゥータを思い出した。
最初にタンジェを訪問したある日、イブン・バットゥータの墓に行こうと思った。
メディナの西に位置し、目立たない一角に小さな建物がある。Tombeau(墓)と
表記はあるものの、まるでマラブー(聖者の墓)扱いの建物様式になっている。
建物はメッカの方向が一部突出して、カブラを作っている。入口はかつて漆喰で
出来ていたが今ではモロッコタイルと全く関係ない四角い柄物タイルが貼ってある。
しかも、入口のアーチも以前と変わった形状になっている。内部空間はさほど
変わりないが、タイル類は昔と違う。これらはスペイン方面からの輸入タイル
なのだろうか。この地域の政府との力関係を感じてしまう。
柵に囲われた棺らしきモノが置いてある。ここにいるのだろかと思った次第だった。
タンジェから入国したほとんどの日本人がタンジェは素通りする。
よく聞くのが、列車やバスに間に合わなくて、泊まるはめになった。
こんな時間がある時、寄ってみては?! 旅行好きな人、モロッコを知り
尽くしたい人、ここを訪問してはどうでしょう!
夜はここは行かない方がいい! あまり治安はよくないかも?!
それとタンジェ空港は今では新しくなり、モロッコの空港らしくない吊屋根タイプの
モダンな建物になった。名前はイブン・バットゥータ空港となっている。