モロッコの門のアーチの形はヨーロッパの門のアーチの形とは違っている。どのように
違っているかは下の写真をじっくり見るとよく分かるかも?!
下の写真はラバトのウダイア門。真ん中から上のアーチの形!じっくり見て!
下の写真はメクネスのマンスール門。
下の写真はフェズのマドラサ・ブー・イナニア内にあるアーチ。
上の三か所の写真を見ると共通点があることが分かる。
*モロッコの場合、アーチが始まる下の部分がちょっと飛び出している。それと
アーチの頂点部分がきれいな円でない鈍角のように角度がついている。
*ヨーロッパのアーチはアーチが始まるところには何の突起物ものなく、円もきれいな
半円を作っている。ヨーロッパを見慣れている人は当然の形だ。
モロッコのこのアーチの形状を「馬蹄形」と言う表現をしている。
モロッコの門やアーチの形状はこの「馬蹄形」の形をしていることが多い。
たまに、ヨーロッパと同じようなアーチもあるがほとんどない。それと、馬蹄形を
崩したようなアーチもたまにある。これは作り方の手順を間違っていたのだろう!
なぜこの形のアーチが出来たの?発生したのか?これらの記述に関する歴史や経緯は
はっきりしたものはない。歴史的には12世紀頃のモロッコのアーチとしては
存在していて、それは一番上写真のウダイア門は13世紀から伝わる様式が物語る。
この形状の門の作り方としてはアーチの一番広いところに円の中心点となる場所が
4点ある。それを起点に円を描いていく。だからアーチの一番高さの高い位置にある
キーストーン(Key stone)の位置に角度がついている。また、下の円を少し出す
ことによって他にない特徴が出てくる。馬蹄形と言う、字のごとく馬の蹄に似ている。
馬を大事にするモロッコ人にはこれにまつわる話があるのだろうか?!?!
モロッコ様式のアーチをこんな複雑に描くにはいろんな思いがあっただろう!
いまでは門に限らず、室内のアーチを作る部分やミハラーブと言われる聖地メッカを
示す方向の窪んだ壁(キブラ)のアーチまでもこの形になっている(下の写真)。
扉のくぐり戸や壁面の漆喰窓装飾にもこのモロッコ様式のアーチが描かれている。
たぶんモロッコを旅行してこのアーチは何かが違うと思っていた人! またこれから
モロッコを旅行してこのアーチのことかと気が付く人! 多少は参考になるかも?!