モロッコのフェズにリアルト橋がある?? イタリアにあるベネチアのカナル
(運河)にかかっている有名な橋の名前がリアルト橋だ。そのリアルト橋には橋を
渡りながら両脇に店舗があり、実ににぎやかな雰囲気を演出している。外観も
カッコよく出来ていて、ベネチアのガイドブックの写真にもなるくらいの風景に
なっている。さずがイタリアといった感じがする。空間の使い方がうまい!
そのリアルト橋と比較しては誠に申し訳ないけど、フェズ版リアルト橋がある。
場所はフェズのメディナの一番低い所にある。フェズのメディナはすり鉢状に
なっていて、そこの低いところにフェズ川(Oued Bou Khrareb)が流れている。
フェズ川を挟んで西側がカラウィーン地区、東側がアンダルース地区となっている。
この両側の地区を結ぶ重要な橋が下の写真の橋だ。かつてはなくてはならない貴重な
橋だった。ここがフェズ版リアルト橋だ。じっくり見てもらいたい!!
ベネチアの研究者にここが「フェズ版リアルト橋」と言ったところ苦笑いされた!!
リアルト橋から比べると1/10位の大きさで、川の雰囲気も1/10以下の小さな橋。
橋はアーチ状で橋の上には小さな店舗が両側20軒くらいある。建物そのものも
モロッコらしい小ぶりな店舗で、橋の長さも短い。ここを通過しても「橋」を
通過した感じは全くないと思うくらいの場所だ。この橋の外観は見ることは非常に
難しい。どこかの屋上に上がり、仮に写真を撮ったとしても、リアルト橋と
比較することそのものがおかしいけど、実にみすぼらしいくなるはず。
すべてを比較したらリアルト橋に申し訳ないくらいの格好だと思う。
しかし、フェズらしい活気はある。要になる橋がこのような使われ方をしている
こと自体がフェズ版リアルト橋の立派なところだ。たぶん全世界を探すと橋の
使い方としてはいろいろあるとは思うが、フェズ版リアルト橋はちょっと面白い!
店舗は半数くらいは飲食店だけど、飲食しなくても話しかけてみたらけっこう
おもしろいかも?!
かつてはこの川はけっこう濁っていて、臭い川だった。下の写真が2000年頃。
それ以前はフェズ版リアルト橋から南は川を暗渠にして、暗渠の上が道路で、
けっこうな量の車の往来があった。車と一緒に公共バスのが行くようになり、
メディナの住人の生活も変わっていった。また十数年前にメディナの中心にもっと
車を近寄らせるような策略を始めた。下の写真が今では暗渠になり、道路と駐車場に
なっている。今ではメディナの中心部に近いところまで車で行ける。
観光客はこのような場所には近寄らないようにしよう!
モロッコとしてはこのような裏側はあまり見てほしくない場所かも?!