フェズの土産物や雑貨屋としてフォンドック(Fondouk)がある。ぜひここをのぞいて
もらいたい。と言っても初めてのフェズの場合はこの建物を堂々とのぞくのもちょっと
ためらうかもしれない! 入口のアーチの上にフォンドックであることの看板がある。
この看板は土産物などが売っているフォンドックで観光施設を示している。
フォンドックは中庭があり、2階建てが多い。中庭に面した4面に部屋があり、
その部屋が店舗として使っている。2階は店舗もあるが工房が多い。
フォンドックの場所はフェズのメディナのメイン通りであるタラーケビーラ
(Talaa Kebir)沿いに数か所ある。フォンドックそのものはメディナに何十ヵ所もある。
フォンドックは日本語にすると「隊商宿又は隊商館」などと訳すことがある。かつての
日本の数少ないイスラム研究者が訳した言葉を今日まで使っている言葉だ。
フェズのフォンドックは観光化が進んできてこのスタイルになった。こうなる前の
フォンドックの用途はイスラム商人の宿、物資の取引をするための場所、物資の
ストックヤード、商人と一緒に来た馬やロバのための待機所や宿、商品の製作の
ための工房などイスラム商人の要望に応える施設であり、メディナの主要施設だった。
フォンドックの場所は主要な門の近くと主要通り沿いに多くある。
中にはさびれたフォンドックもあるが、上の写真のようにリニュアルして、
再活用しているところもある。
下の写真は昔から使われているフォンドック。ここでは革の素地を取引している
市場のような場所。このフォンドックは活気があり、売る人と買う人がかなりの勢いで
声を張り上げている。場所はメディナの中心のキサリアの北側にある。ここは普通の
フォンドックと違う雰囲気なので、中に入るにはなかなかの勇気がいるかも?!
だけど雰囲気を味わうにはこの中へずけずけと入って行くとモロッコ人と仲良しに
なれること間違いなし! 「何でお前はこんなところにいるんだ!」などと
言われながらうろうろしてみると思わぬ発見もある。革の素地を触れせてもらい、
素材の感触の違い、においなどを教えてもらったりした。取引がない時間はシ――ンと
している。中庭に面した各部屋はストックヤードになっている。
下の写真も昔からあるフォンドック。だけど、あまり活気がない。いつも閑散と
していて、2階も扉が閉めっぱなしになっていることがある。フォンドックは
かなりの数あるが、一番上の写真のようなフォンドック、さびれたフォンドック様々。
時間があれば、フェズのフォンドックを探索してみてはどうでしょうか!