ラバトにはコロニアル様式の建築が多少残っている。
ラバト駅からメディナにかけてのエリアと、駅から東のエリアにもある。
面積的にはカサブランカから比べると小さい。街は小さいながらもホテル、
レストラン、カフェなどいろいろとある。コロニアル様式の空間体験ができる。
この教会は駅から東のエリアにある。メディナから見るとやや丘の方に新市街の
中心になる位置にそびえたつ教会がある。教会前広場や放射状の道路はまさに
コロニアル様式を意識させるような作りになっている。
この地域は植民地時代に主要な場所だった。駅から教会までは歩ける距離、
このちょっと下がったところに地方政府を置き、教会より南の方
(地形的に上がっている)はフランス人の住宅地としている。
ほどよい丘の上に教会がそびえたっている。教会全面の広場を半円状に設け、
半円状の建物の1階部分はアーケード状になっていて、カフェや店舗もある。
広場を兼ねた何となく存在感を示すかのような雰囲気がある。
しかし、教会のファサードにしては威厳を排除したかのような装飾。
ここはイスラム教の国、キリスト教を強調しないで存在することへの
敬意を払ったのか、遠慮したのか、装飾が少ない。何かの意図があると思われる。
日本人の感覚からすると装飾の少なさの印象はなかなか渋い!
その分、装飾の少なさに美しさを感じるのは私だけではないはず。
ファサードの装飾はカサブランカの教会も一緒である。装飾が少ない。
カサブランカよりラバトの教会は小奇麗な感じがある。
これがテトアンまで行くとまた違ったキリスト教会を見ることが出来る。
タンジェやテトアンは一時期スペインの領土であったことがあるため違いはある。
ファサードの装飾は少ないが、少ないものの両側に二つそびえたつ塔は強調性がある。
塔の上部には十字架が何本も掲げられ、遠目に教会であることがわかる。
入口周辺はモロッコ産の砂岩を施し、壁にゴシックの明かり窓がはめれている。
プランは十字状の平面で内部はやや明るく出来ている。
この教会の驚きは後ろの部分にある。それは外側からもわかる。
教会内部の中央の上部はボールト状の天井になっており、明かりがもれてくる。
その上部の外壁のほとんどの部分は透かし彫り風の壁の装飾は立派に施してある!
モロッコの刺繍模様のような繊細さを持つ装飾であったり、
この透かしを通して入ってくる日の日差しはなかなか乙なものである。
現在のモロッコの、新しい空港や駅などでこの装飾が至る所に使われている。
この装飾は画像でなく実物を見るともっときれいです。
問題なく入れるはずです、異教徒は迷惑のないように見学してください。