ある年の大みそかから正月をアルホセイマで過ごすことになった。移動手段は
テトアンから民間の夜行バスでアルホセイマ(Al Hoceima)へ行くことになった。
出発は夜八時位だったような気がする。その時思ったのが、なんでそんなに時間が
かかるのか不思議に思った。ルートとして、テトアンを出発して、シェシャウエンを
経由、ケタマを経てアルホセイマへ行く。早朝につく予定。約260kmの
道のりなのにこんなに時間がかかるのか?! 山道だから?、くねくね道だから?
バスに乗り込んでそんなんことを思っていると、テトアンを出発することになった。
大みそかの夜、テトアンの夜は寒い。いくらバスの中とはいえ、吹き込んでくる風は
けっこうな寒さがあった。たぶんバスの出入口近くの寒さはもっと応えるかも。
最初のシェシャウエンに行くまでは途中で気ままに何度かとまる程度で問題なく、
すんなりと到着。ところがシャシャウエンで休むことたぶん一時間近く。
テトアンとシェシャウエンの間は約65km。これで一時間の休憩はかなり安全運転。
安全運転に徹することはいいこと。しかし、ホントに安全なのか疑問は残った。
モロッコ人はあくせく仕事をさせられるのはまっぴらごめんである。これが理由か??
シェシャウエンを出発してからすぐに各所に止ることになった。ここで降りたい、
ここから乗りたい。そんな客が増え始めた。しかし、こんな山奥でこんな時間に
乗りたい客がいるとはそれにもまたびっくり。ケタマに到着するまでそれの繰り返し。
これでは時間がかかるわけだった。夜の眠気には勝てずに、バスの中で眠り込んでは、
扉が開いて冷気が入り込んで寒さで目がさめてしまう。この繰り返しが続いた。
このシャシャウエンからケタマ間は昼間に通るとびっくりする風景がある。それは
山の中腹に出来た道を通過している。だから、道路から下の谷を見るとけっこうな
落差がある。その谷底には所々に車やバスが落ちたであろう残骸が残っている。
大みそかの移動の時に谷に落ちるような事故がなくてほっとした。もし事故でも
あろうなら、数日後の日本の新聞に小さなベタ記事で「日本人事故に遭う」って
載っていたかも。たぶん死亡事故になる可能性は高いかも。
また、ケタマ~アルホセイマ間も同様。山の中腹の道を通過する。
途中で止って人が下りたり、再度客を乗せたりの繰り返しだった。途中でカフェ休憩や
食事休憩が何度かあったような気がする。そんなこんながあって面白かったバス旅行。
さすがこれこそ「モロッコの民間バス」といいった感じだった。良いいい方をすれば
スリル満点、一つ間違えば死と隣り合わせの民間バス。そうこうしている間に
明け方にアルホセイマに着いた。ようやく友達に会うことができた。
このテトアンからアルホセイマの夜行バスの状況は今でも一緒だ。
ただし、CTMを使ったりすると予定もしない場所には止らないし、休憩時間も
予定通りの時間をついやして到着場所に着く。よほどのトラブルがない限り、
大体の時間には到着する。だいたいと言うのは一時間遅れても良しとしてね!
これがモロッコだから(^^)